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11.62020
1日24時間のうち、通勤時間4時間?
東京、大阪、名古屋といった都市にある企業にその近郊から出勤している人の通勤時間が長い傾向にある。
特に、東京では、2時間の通勤時間や、新幹線を利用した通勤など通勤時間が長い人の割合が多いことがわかる。
会社勤務者で8時間労働(残業時間無しと想定)で通勤時間4時間とした場合、睡眠時間7時間と想定すると、自宅に滞在する時間は5時間のみということになり、家族とコミュニケーションをとる時間、家事を行う時間は、かなり限られた時間となってしまう。
それぞれの調査対象者の違いによって、算出された各都道府県の平均通勤時間に違いがあるものの、通勤時間は東京圏(神奈川、千葉、埼玉、東京)が最も長く、その後大阪圏(奈良、兵庫、大阪、京都)が続き、さらにそれに名古屋圏である愛知県が続くという傾向がみられることは、どの調査結果にも共通している。このことは東京や大阪、名古屋といった都市にある企業にその郊外から出勤している人の通勤時間が長い傾向を示唆する。
新型コロナウイルス感染症は、人口の多い都市圏で感染者も多い傾向があり、都市リスクと考えられる。こうした都市リスクを受けて都市圏の企業でリモートワークが拡大することは、都市リスク対策としてのみでなく、長い通勤時間の減少を通して人々の生活に与える影響も大きいと考えられる。
通勤勤時間の減少は幸福度の向上につながる可能性があること8や、幸福度の向上は生産性の向上につながる可能性があること9が示唆されてきている。
さらに通勤時間の減少は女性の社会進出や出生率の向上にも貢献する可能性があることが議論されている。
本稿で紹介した都市圏で通勤時間の長い傾向は、こうしたリモートワーク拡大による通勤時間の減少による効果が、都市圏で特に大きい可能性があることを示唆すると考えられるだろう。
参考資料 都道府県別平均通勤時間(ニッセイ基礎研究所)より引用
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=65487?pno=2&site=nli